House 【知ってるようで知らない。住宅メーカーはどこに依頼する? [3/3]】
前回まではそれぞれのメリットとデメリットを思いついただけお伝えしました。
今回はそれらを踏まえてご自身に合った選択ができるようお手伝いができれば嬉しいです。
何度も申し上げている通り、どこが良いとか悪いとかという話ではありません。
いかに自分の理想と、それを実現してくれるメーカーとの相性が良いかが大事です。
ハウスメーカーでは大抵の場合、担当の営業さんが付いてくれて、家づくりの工程を全て管理してくれるので、家づくりは随分楽に進められると思います。
規格のベースが既にあるので、細かい決め事も少なく済むでしょう。
面倒なことは嫌だけど、それでも一定の品質以上の家が欲しい人はピッタリな選択だと思います。
企業としての安心・安定感、品質の個体差は少ない、所謂とんでもハウス(笑)にはならない、これらは十分なメリットだと思います。
そうだ!お話しし忘れましたが、ハウスメーカーの中でも”ローコスト系は別”と私は考えているので注意してください。
それについてはまたどこかでお話ししましょう。
設計事務所や工務店で貴方にあったベストな家づくりを目指すのであれば、それなりの知識を身につけるしかありません。
相談に乗ってくださる担当の方の口車に乗せられず、確認事項なんてのもきちんとメモしておきましょう!
それと、特に住宅メーカー選びには時間を使うこと。
いろんなところにまずは相談に行くべきです。
しっかり話を聞けば色々見えてくるものがあります。
それに相談だけ来られたとしても、どこのメーカーもあまり嫌な顔はしないと思うんです。
なぜなら貴方がメーカーを選ぶように、設計事務所や工務店もお客さんを選んでいるケースが多いです。
対話をしてお互いの合う合わないなんてのが見つかるんですから、お互いにメリットがある行為です。
最後にご自身に合ったメーカーを見分けるポイントを伝授します。
令和3年4月から温熱表示化が始まりました。
住宅の性能を”数値化”してお客様に提示することが義務化されています。
それ以前は『ウチの家はあったかいですよー』と具体的にどの程度なのか指標を提示しなくてもよかったんです。
現在は外皮性能の数値である程度のことがわかるので、その見方さえ覚えておけば
「この家あったかいって言ってるけど UA値0.5なんだ」
「じゃあ暖かくするためには 相当暖房費かかるね」
って感じで判断できるようになるんですね。
そう言った意味では、あたたかい家を手に入れるのは割と簡単です。
それともうひとつ。
皆さんがやってしまいがちなポイントですが、住宅メーカー選びを”人で選ばない”ようにしてください。
一番やってはいけないのはこれだと思います。
もちろん大事なことであることは変わりないですが、あくまでも最後の決め手にとっておいてください。
もっと客観的に、自分が希望するデザインが叶うか、性能がしっかり担保されているかを明確に判断していきましょう。
あとは工期には余裕を持つことと、リスペクトを持って接すること。
人気な工務店は仕事には困っていないです。
人気があるからすぐに手をつけてもらうのも難しいでしょう。
先ほども申し上げましたが、貴方がメーカーを選ぶように設計事務所や工務店もお客さんを選んでいます。
win-winな関係が築けなければ、そのあとも気持ち良く計画を進めることはできません。
設計や施工する人のモチベーションをあげるのも、お客さん次第であることは言うまでもありません。
「誰でもいいから早く安く建てて」なんて言われて喜ぶのは本当に一部のメーカーだけです。
「ぜひ〇〇さんにやってほしい!」と言われれば、多少予算が合わなくたって頑張っちゃうものですよ!たぶん笑
住宅メーカー選びは大抵の人が一生で一度のこと。
初めてのことにわからないことも多いのは仕方のないことかもしれません。
ですが、時間はかかっても後悔のしない家づくりをしていきましょう!
余談ですが、住宅メーカー選びコーディーネーターという職業があったら、私やってみたいです。
お客さんと一緒にお客さんの理想に合うメーカーさんを選ぶ仕事ですが、なんだか楽しそう。笑
この記事を書いた人
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1987年生まれ|2級建築士・東京にてショップデザイン専攻
地元長野に戻ってからはグラフィックを扱う企業へ就職するも、空間デザインの世界が諦めきれず、数年後には起業を果たしBlackPepper LLPを設立。軽井沢の別荘建築で現場の経験も積みながら、デザイナーとしての道へと本格的に歩みを進める。2017年6月には株式会社BlackPepperを設立。同社取締役デザイナーとして、主に住宅・店舗設計を手がけている。
一見、住宅と店舗ではかけ離れているような分野だと思えるが、考え方や求められていることが違う分、別視点からの柔軟な発想を両デザインに落とし込むことができている。今もなお両立しているこのスタイルは妥協のない空間づくりへの姿勢の表れであり、今後も理想を描き続けるための核とも言えるだろう。
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