House【高気密・高断熱住宅で薪ストーブはダメ!?リスクと対策をご紹介】
薪ストーブは、遠赤外線により家全体を暖めることができるため、体の芯から温まる暖房です。
また、料理やお菓子作りに利用したり、揺らめく炎によるリラックス効果も期待できるでしょう。
今回は…
高気密・高断熱住宅で薪ストーブを取り入れる際の、性能 と 注意点 についてお話ししていきます。
※ 施工事例写真
薪ストーブの注意点
気密性の高い住宅に薪ストーブを導入する場合にはいくつか注意が必要です。
煙の逆流
高気密、高断熱住宅では換気システムが徹底管理されています。
なので、家の中へ余分に外気を取り込むことはありません。
そのため、家の中は常に負圧状態とになり、薪ストーブから煙が室内側へ逆流する可能性があります。
ここでレンジフードを使用するとさらに負圧状態が進行します。
うっかり炉内を開放した場合、煙や灰が家の中に散開してしまうかもしれません。
特に注意が必要なのは、火を起こしたばかりの初期運転時です。
ストーブや煙突が暖まっていないため、上昇気流が小さく煙の逆流が起こります。
このような気圧による問題を解決するため、高気密住宅に設置する場合、外気導入型の薪ストーブを採用することがあります。
薪ストーブの性能
薪ストーブというのは、通常運転でもエアコンの3倍近い暖房能力があります。
30 坪 前後の住宅であれば 6 畳 用エアコンの出力で十分暖められる性能です。
通常の薪ストーブは室内から給気を行います。
外気導入型はアルミ製ダクトを通じ、屋外から直接給気を行います。
そのため、気密性の高い住宅でも室内の気圧に影響を受けることはありません。
ですが、外気導入型はあまりおすすめしません。
なぜなら、夏場の室内外の温度差により、ダクト内に結露ができてしまうからです。
※ 施工事例写真
他にも、薪ストーブには少々難しい点があります。
それは、力調節が難しいことです。
エアコン等の暖房器具と違い、ボタン一つで「弱モード」に切り替えられません。
なので、高気密・高断熱住宅に設置した場合、理論上は暑くてたまりません。
かと言って、薪ストーブを諦めることも、性能の低い住宅を推奨することはありません。
暑さの問題に対しては窓を開けてしまえば済む話です。
上記でお話しした気圧に関しても、ストーブの初期運転時に少し窓を開けるなどの工夫で、ダクトを取り付けなくても安全にご使用いただけます。
最後に
多少の不便を承知の上で、それでしか味わえない楽しみや享楽を追い求め生きるのも、一つの「暮らし方」であると私は思います。
※ 施工事例写真
私たちは温熱計算に基づき、少ないエネルギーでも快適に暮らせる性能を備えた家づくりを徹底しておこなっております。
住宅のつくりや特性を加味した上で、適切な薪ストーブを選定していきましょう。
お客様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、最適な住まいづくりをご提案させていただきます。
この記事を書いた人
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父が現場監督、母が設計士、兄が大工という生粋の建築一家で育つ。その影響もあってか、幼少の頃のお絵描きと言えば住宅の平面図や空間パースを描いていたという。高校在学時にはインテリアコーディネーターを最年少取得年齢の17歳で合格する。
将来は機能美とデザイン性が共存する、人々の記憶に残るような住宅を手がける設計士を目指している。
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