House【ペットと幸せに暮らせる間取りとは??】
ペットにも色々いるので、動物によって気をつける点は違うと思いますが、今回は代表格の「犬」でブログを書いてみます。代表格は猫だろ!とか言われそう…
私も犬を飼っていますが、自宅を建てたあとで飼い始めたこともあり、ここをあーしておけばと色々な点に気付かされました。
建築において解決できることはみなさんにぜひ活用していただきたいと思います。
犬の飼い方も昔とだいぶ変わりましたね。
以前は外飼いが当たり前でしたが、最近ではそのようなお宅はほとんど見られません。
家族の方針もあるので一概にこれが正解はないかもしれませんが、私が理想とする犬と共に暮らす家のお話をします。
前置きが長くなりましたが、まずは犬の特性のお話。
犬というのは基本的に群れで暮らす動物です。なのでひとりきりになるのがとても苦手で、そんなときは気持ちがとても不安定になります。
なので犬が落ち着けて、すごしやすい空間を用意しましょう。
その上で、飼い主の面倒が減ることが一番ですね。
〈寝床のスペース〉
犬は広いところでは落ち着かない習性があります。
寝る時などもきちんとケージに入れてあげるほうが安心して眠りにつくことができると言われています。
それではケージはどこに置いてあげるのがよいでしょうか。
上にも飼いたとおり、群れで生活する動物なのでひとりにしないことで安心します。
理想は家族と同じ部屋で寝ること。もしくは家族の存在が感じられる場所にケージを置いてあげることです。
それには間取りの計画からどこにケージを置くかよく検討しておく必要があるでしょう。
〈お留守番をする場所〉
ご自宅に人が誰もいない時、残念ながら犬はひとりでお留守番をしなければいけません。
海外では犬をひとりにしてはいけないという条例などもあるそうですが、ここ日本ではそういう訳にはいかない家庭が多いと思います。
意外とお留守番中は寝てばかりいる犬ですが、あまり狭いところに閉じ込めておいてはストレスも溜まるでしょう。
それなりに広いスペースを確保してお留守番できるようにすることが最適です。
ただし部屋中どこでも動き回っては困るという場合には、バリケードで囲ってあげる必要があります。
バリケードを作っても人間の生活に支障をきたさない間取り計画も頭に入れておきたいですね。
そして忘れてはいけないのは、夏場の暑さ。人間と違って毛むくじゃらの犬は暑さに弱いので、きちんと冷房の効いた場所にいさせてあげましょう。
また、パピーのうちや若い犬はどこでも齧ったりしたくなるものです。
お留守番中に注意はできませんので、そうなることも想定した仕上げ材にしておくことで大惨事にならなくて済みます。
ちなみに私の家では、築一年以内に壁に穴が空きました。
壁にも汚れがつきますが、幸いにも塗装仕上げだった自宅は部分的に自分で補修ができたので助かりました。
寝床スペースを家族の寝室の近くにするなら、留守番スペースにも寝床が必要なことも。その場合は合計2箇所必要な計算になります。犬だけでかなりの床面積を占有しそうですね。
〈換気の問題〉
犬種によっては体臭が強い個体もいます。
車などこもった空間にいるとすぐに匂いが充満することも。一緒に解放された家の中で暮らしていると気づきづらいかもしれませんが、お客さんなどその匂いに慣れていない人が来た時には、嫌な思いをされているかもしれません。
通常建築基準法では0.5回/1Hの換気が決められていますが、所要室などには適応されません。
上にも書いた通りケージを置く場所やお留守番をする場所を作った時には、そのスペースもきちんと換気されているのが理想的です。
〈トイレ〉
トイレもケージの中でさせるケースが多いでしょうか。
失敗しても後始末が簡単ともいえますが、寝床のケージとは分けてあげる必要があります。人間だってトイレの中で寝るのは嫌でしょうから、そこは配慮してあげましょう。
これは建築に関係ないか…
〈床〉
滑りやすい床は怪我のもとなので配慮が必要です。
脱臼や骨格の異常にもつながり、犬が苦しいだけでなく病院にいくことになればお金だってかかります。みんながストレスなく暮らせるよう考慮しましょう。
上には書いていませんが、トイレの躾がしっかり行き届いた犬でも失敗することはあります。
犬種によっては綺麗に使おうという気がない犬もいます。
例えば牧羊犬などは牛の撒き散らした糞尿と一緒に暮らしているのでその辺りのメンタルは強めだったり。
床に染み込んだりすると片付けが大変なだけでなくシミになったりもするので、床の材質選びは重要です。
〈おもいっきり走れる庭〉
特に大きな犬種となれば人間とは運動量がまったく違います。
1日に何十キロだって走れます。運動のためにお散歩してるなんていいますが、良い運動になっているのは人間だけで犬からしたら運動したうちに入りません。
それだけでなくトレーニングされていない犬は、散歩をするだけでさまざまな要因で興奮してしまったりするので、かえってストレスを与えることにもなりかねません。
そんなときに自宅の庭でおもいっきりおもちゃを使って走り回ったりできたらどんなに幸せなことでしょう。
余裕があればフェンスなどで囲えて、さらには人間が敷地を出入りするには困らない計画をしてみると良いかもしれません。
以上、すべては書ききれませんが特に気にしておくとよいポイントをご紹介しました。
ペットの話は、各々のリテラシーもあるのであまり言及するべきことではないし、それらがなくても幸せに暮らしているペットはたくさんいるでしょう。
何よりも愛情が一番だと思いますし。
そして私の知識が間違っていることもあるでしょうから、すべてを鵜呑みにしないでいただけたら幸いです。
将来犬を飼いたい。そしてこれから新築の計画をするタイミングの方、ご自身のできる範囲でお家の計画に生かしていただけたら幸いです。
それでは。
この記事を書いた人
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1987年生まれ|2級建築士・東京にてショップデザイン専攻
地元長野に戻ってからはグラフィックを扱う企業へ就職するも、空間デザインの世界が諦めきれず、数年後には起業を果たしBlackPepper LLPを設立。軽井沢の別荘建築で現場の経験も積みながら、デザイナーとしての道へと本格的に歩みを進める。2017年6月には株式会社BlackPepperを設立。同社取締役デザイナーとして、主に住宅・店舗設計を手がけている。
一見、住宅と店舗ではかけ離れているような分野だと思えるが、考え方や求められていることが違う分、別視点からの柔軟な発想を両デザインに落とし込むことができている。今もなお両立しているこのスタイルは妥協のない空間づくりへの姿勢の表れであり、今後も理想を描き続けるための核とも言えるだろう。
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