House【暖房費を節約!エアコンの効率的な使い方と部屋づくりのコツ】

「冬に薄着で過ごしても、エアコン設定温度を夏と同じ28℃にすれば快適なのでは?」
…先日、知人にこう質問されました。
答えはずばり「NO」です。暖房効率や快適性を考えると、28℃の設定は現実的ではありません。

今回はその理由と、冬を快適に過ごすためのポイントをわかりやすくご紹介します。

 

 

 

●設定温度の仕組み
そもそも、エアコンの設定温度は「室内をこの温度に近づける目標値」です。吹出す風そのものが設定温度になるわけではありません。
・暖房時→30~50℃程度の温風を出して部屋を温める
・冷房時→10~15℃程度の冷風を送り室温を下げる
暖房を28℃に設定すると高温の風を出し続ける必要があり、エネルギー消費が大きくなります。

これにより、光熱費の増加やエアコン本体への負担、さらにはエネルギー効率の低下も招いてしまいます。

 

 

●湿度が快適さを左右する
体感温度には湿度が大きく影響します。冬は空気が乾燥しているため、部屋の湿度が低いと実際の室温よりも寒く感じることがあります(詳しくは前回のブログ参照)。
室内の湿度は40〜60%に保つと良いでしょう。湿度が適切に保たれていれば、20〜22℃の設定温度で十分快適に過ごせます。

 

 

●輻射熱にも意識を向ける
暖かさを感じる要素は、空気の温度だけではありません。実は、壁や床、家具から放射される輻射熱が体感温度に大きな影響を与えます。たとえエアコンで室温が28℃に設定されていても、薄着だと空気からの熱だけでは体から熱が逃げやすく、思ったほど快適に感じません。しかし、輻射熱がうまく働けば周りの暖かいものから熱を直接受け取ることができるため、薄着でも暖かさを感じやすくなります。
さらに、窓際に断熱性の高いカーテンを使ったり、カーペットやラグで足元の冷気を遮断したりすることで、室内の暖かさをしっかり保つことができます。断熱カーテンは、外からの冷気を遮り、室内の温もりを逃がさずキープしてくれるので、特に冬場には頼りになるアイテムです。

 

冬の快適な部屋づくりには、エアコンの設定温度だけでなく、湿度や輻射熱を意識した工夫が欠かせません。
総合的なアプローチでバランスを整えながら、快適な冬を楽しみましょう!

 

前回のブログ【湿度次第で体感温度はこう変わる!】

 

この記事を書いた人

庄村光央
庄村光央インテリアコーディネーター
父が現場監督、母が設計士、兄が大工という生粋の建築一家で育つ。その影響もあってか、幼少の頃のお絵描きと言えば住宅の平面図や空間パースを描いていたという。高校在学時にはインテリアコーディネーターを最年少取得年齢の17歳で合格する。
将来は機能美とデザイン性が共存する、人々の記憶に残るような住宅を手がける設計士を目指している。