House【中古住宅を購入したいけど、シロアリの被害が心配】

中古物件の需要が急激に高まるなか、このような心配をされている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば長野県のお話になりますが、残念ながら県内全域満遍なく白蟻被害がありますので地域差などはありません。
どこの物件を買おうが注意は必要なので、このブログを参考にしていただけたら嬉しいです。

 

 

基本的に白蟻というのはどこにでも生息しています。

特に餌がたくさんある場所、例えば山の近くなどは白蟻などの害虫が多く生息し、使用されていない静かな家などは被害に遭いやすいです。
さらには基礎の形状も古い建物だとべた基礎になっていない場合が多く、シロアリが侵入しやすい環境といえますね。

あとは予防を徹底されていた住宅かが鍵となります。
弊社で新築を建てる際はタームガード(家の周りにぐるっと配管を埋設して薬剤を地中に浸透させる)で予防をしているので、定期的な薬剤注入だけしておけば問題になることはありませんが、そういった防蟻処置のしていない家は危険です。

 

 

そして忘れてはいけないのが、中古物件の場合インスペクション(住宅診断)が入っているかどうかを確認してください。

2018年からインスペクションの有無の表示は義務化されているので、不動産購入前に確認すればおわかりになると思います。

安全に中古物件を購入するには契約前に、既存住宅現況検査技術者か私たちのような建築士がインスペクションを行い安全を確かめます。

その際床下に関しては専門業者に入ってもらい建物全体の診断をすることで、被害の有無と対応について検討することが可能です。

お客様が直接、床下のみ点検を専門業者に依頼することもできますが、結局専門業者は点検・駆除のプロであって被害の復旧ができないので、ほとんどの場合に建物全体のインスペクションを依頼するケースが多いです。

ちなみに、購入を検討している住宅を見に行った際には、基礎の外周面だけでも蟻道(シロアリがつくる土のトンネル)がないか確認してみてください。

それが見つかれば被害があると思います。

 

 
また、なかったとしても蟻道は圧倒的に基礎の内側に作るケースが多いので、安心とはいえません。
実際に被害が見つかってから専門業者に駆除依頼をすれば無料で点検してくれる会社もあるので、利用するのも手だと思います。(悪徳業者に当たらないかとかちょっと怖いですが)

私たちでインスペクションを行う場合は、普段新築の防蟻処理を行なっていただいている業者に床下の点検をお願いしています。

床下のみで数万円程度の点検費がかかりますが、被害が見つかり駆除工事となった場合にはその分の費用負担がなくなるといった仕組みとなっております。

巷で無料点検をうたっている会社もありますが、そういう会社はシロアリ被害が出てから連絡がくるパターンがほとんどなので、その後の工事でコストの回収できるというということなんでしょうね。

インスペクションでは被害が出ない場合もあるので、駆除工事がなかった場合の費用発生はどこの業者でもあると思われます。

以上、中古物件を購入する際はノリで決めずじっくりと安全を確かめてから契約をしましょう。

 

 

この記事を書いた人

竹内恵一
竹内恵一空間デザイナー
1987年生まれ|2級建築士・東京にてショップデザイン専攻
地元長野に戻ってからはグラフィックを扱う企業へ就職するも、空間デザインの世界が諦めきれず、数年後には起業を果たしBlackPepper LLPを設立。軽井沢の別荘建築で現場の経験も積みながら、デザイナーとしての道へと本格的に歩みを進める。2017年6月には株式会社BlackPepperを設立。同社取締役デザイナーとして、主に住宅・店舗設計を手がけている。

一見、住宅と店舗ではかけ離れているような分野だと思えるが、考え方や求められていることが違う分、別視点からの柔軟な発想を両デザインに落とし込むことができている。今もなお両立しているこのスタイルは妥協のない空間づくりへの姿勢の表れであり、今後も理想を描き続けるための核とも言えるだろう。