House【もう坪単価に惑わされない】

 

そうだっ!新築を建てよう!!

ハウスメーカー選びを始めるとまず気になるところはやっぱり「坪単価」。それはそうですよね。誰だって予算には限りがあるもの。本当は予算を気にせず建てれれば、プールのついた豪邸!!まではいらなくても、あのメーカーの家がよかったな~とお思いの方も多いのではないのでしょうか。

 

 

しかしこの「坪単価」
これから家を建てる方がみんな気にしているからこそ、メーカーもあの手この手、その手もあったかー!!なんて、ありとあらゆる手を使って偽装?これはヤバイか。カモフラージュ?しているのです。笑

 

じつは、坪単価というのは明確に何を含んで何を省くか、という決まりはないんです。

例えばよくあるのが、本体工事のみの坪単価。建物は建っても生活をするにはそこへライフラインの引き込みをしなければいけません。それには敷地を掘って上下水道を引き込む必要もあるし、都市ガスを使用するなら、ガス管だって入れなければいけません。また、敷地が平らとは限らないので道路との間に高低差があれば、敷地を低くするか階段を作るかする必要がでてくるでしょう。立地条件によって変わる費用を最初から算出することはできないので、提示することもありません。

 

弊社が設計施工した物件の内覧会でもお客様とこんな話をすることがあります。

お客様・・・「この家はいくらですか??」
わたし・・・「トータル2700万円かかりました。」
お客様・・・「じゃ延床が38坪なら71万円/坪だね!」

私がお伝えしたトータル価格は敷地の盛土も入ってれば、表層の地盤改良費、もちろんライフラインの引き込み費用も全て入ってお話ししています。これを本体工事だけピックアップすれば60万円代/坪にも見せることができます。

 

 

たちの悪い会社は、「これらは全部込み込みです」と箇条書きでいろんなものを記載した広告を配布。素人の方には、あれがないこれがないと確認するのは困難でしょう。他にもモジュールが、メートルという違いで坪単価を安く見せたり。まぁ本当にいろいろなことを考えるものです。笑

もうこれは消費者詐欺に近いですよね。この辺のルール決めを行政できちんとしてくれればいいのですが。
それじゃどうやって坪単価を見ればいいのかわからないー!!と思った方は、ご安心ください。

 

坪単価なんていい加減なものは無視すればいいんです。

 

車だってそうじゃないですか?

 

 

二人乗りのオープンカーが500万円で売られています、1席あたり250万円。これでは席の単価が高いから、ハイエースの11人乗りを500万円で買おう!席単価は45万円だからお得!!なんて車の選び方をしている方がいたら、「その考え方間違ってるよ」って教えてあげたくなります。笑

まだまだあります!こんな考え方だってできるでしょう。

 

 

たとえば50万円/坪の延床30坪の住宅を建てました。わかりやすく総額1500万円だったとします。断熱なんてグラスウールの袋断熱材をなんとな~く入れただけ。真冬の子供部屋は暖房がなければ寒くて、お子さんは誰一人自分の部屋に行きません。

冬は家族仲良く10畳のリビングでコタツに入ってテレビを見るのも楽しそうでいいですが。私から言わせれば冬場10畳のリビングしか使わないなんて、そのリビングの坪単価は一体いくらなのよ??って思ってしまいます。笑

 

365日24時間家中どこでも、そう!押入れの中でさえも、きっちり使えて初めて坪単価じゃないでしょうか。

 

 

要は、ご自身がマイホームでどんなライフスタイルを送りたいか。これが一番大事なことで、坪単価のようないい加減なものに惑わされず、気になっているメーカーがあったらご自身の希望予算と、この会社で建てたいんだ!という強い意思を担当者に伝えてくみてください。お客さんの気持ちを大事にする会社なら、きっと予算にあった提案を考えてくれるはず。

 

少なくても私は、自分の設計した住宅を気に入ってくれたお客様が「どうしてもあなたに建ててもらいたい」と言われたら、多少無理難題があってもベストを尽くして応えたいって思ってしまいます。

技術者ってそういうもんじゃないですか??笑

紙切れ広告1枚であなたの家づくりを終わらせてはいけません!!家づくりは、メーカーと施主が力を合わせて作り上げていくものにしましょう!

 

Magnifying glass in front of an open newspaper with paper houses. Concept of rent, search, purchase real estate.

 

それにしても、お客さんに「おたくの坪単価はいくらなの?」って聞かれるとドキッとします…

坪単価で家づくりをする概念をそもそも持っていないので、慌てて計算してみたり…汗

この記事を書いた人

竹内恵一
竹内恵一空間デザイナー
1987年生まれ|2級建築士・東京にてショップデザイン専攻
地元長野に戻ってからはグラフィックを扱う企業へ就職するも、空間デザインの世界が諦めきれず、数年後には起業を果たしBlackPepper LLPを設立。軽井沢の別荘建築で現場の経験も積みながら、デザイナーとしての道へと本格的に歩みを進める。2017年6月には株式会社BlackPepperを設立。同社取締役デザイナーとして、主に住宅・店舗設計を手がけている。

一見、住宅と店舗ではかけ離れているような分野だと思えるが、考え方や求められていることが違う分、別視点からの柔軟な発想を両デザインに落とし込むことができている。今もなお両立しているこのスタイルは妥協のない空間づくりへの姿勢の表れであり、今後も理想を描き続けるための核とも言えるだろう。