House【「自然素材の家」とは?家づくりに取り入れたい自然素材一覧】

自然素材を活用した住宅は、アレルギーやシックハウス症候群のリスクを軽減でき、室内の空気の質も向上させることができます。また、木材や土、石などの自然素材は環境にやさしいだけでなく、その美しさや風合いも魅力ですよね。
そこで今回は、住宅建築に用いられることの多い自然素材についてご紹介しましょう。

 

 

①木材
木の質感は温かみがあり、リラックス効果をもたらします。柱や梁に使用することで、強度と美観を両立できるでしょう。建材として用いられる品種としては、スギやヒノキ、ナラなどが代表的です。いずれも耐久性にがあり、美しい木目が特徴的なものもあります。特にヒノキは香りもよく、防虫性、防腐性に優れているため、内装材にはもちろん浴室にも取り入れることも可能です。品種ごとに異なる特性を持ちますので、用途によって選んでみてくださいね。

 

 

②土壁
土壁は伝統的な日本建築で用いられてきた素材ですが、塗り方や配合によって多彩な風合いを楽しめることから、最近の住宅や店舗にもデザインとして取り入れられることが増えています。また、高い調湿性を持つため、内装仕上げに用いることで室内の湿度を適切に保つことができるのです。耐火性にも優れており、火事が多かった江戸時代の建築素材としても重宝していたとか。

 

 

③石材
耐久性が高く長寿命な建材として、外壁や床材として石を使用することがあります。デザインに重厚感や高級感を演出したい場合にもおすすめです。例えば、墓石などにも使用される「御影石」は、非常に硬く耐久性が高い光沢があり美しい模様が特徴的。硬度は御影石に劣るものの、「大理石」も光沢や美しい模様を持っており、装飾性に優れる石材として知られています。キッチンやテーブルの天板としても人気です。

 

 

④天然塗料
リネンオイル(亜麻仁油)や蜜蝋ワックスなど、自然由来の塗料を使うことで室内の空気質の改善、健康リスクの低減にも繋がります。化学塗料と比べても、木目を生かした仕上がりや手触り、経年による色合いの変化も特長と言えるでしょう。しかし自然由来の塗料は耐候性が低いため、特に屋外に取り入れる場合には注意が必要です。

 

 

⑤断熱材
自然素材の断熱材として近年注目されているのが、ウッドファイバやセルロースファイバー、羊毛などです。これらは木や紙などの自然由来のものを再利用して作られる断熱材で、人や環境に優しく、調湿性があることから人気を高めつつあります。しかし、経年による劣化のない無機質の断熱材と比べると、その性能にはやや不安が残ります。内外装の仕上げ材と違い、断熱材は壁内に埋め込まれるためメンテナンスも容易ではありませんので、検討している場合にはその性質を理解した上で取り入れることをおすすめします。

 

 

まとめ
その美しさや健康に良いという点に惹かれ、自然素材を取り入れた家づくりを目指す方が増えています。しかし、通常の建材に比べてこまめなメンテナンスが必要であったり、施工費用が割高になる場合があることも知っておくべきでしょう。
大切なのは、素材の特性をよく理解し、その上で納得して選ぶことです。家づくりは一生に一度の大きな決断ですから、後悔しないためにもじっくり検討してくださいね。心地よい住まいを実現するために、素材の良いところも、そうでないところもすべて受け入れた上で選んでいただければと思います。

 

この記事を書いた人

庄村光央
庄村光央インテリアコーディネーター
父が現場監督、母が設計士、兄が大工という生粋の建築一家で育つ。その影響もあってか、幼少の頃のお絵描きと言えば住宅の平面図や空間パースを描いていたという。高校在学時にはインテリアコーディネーターを最年少取得年齢の17歳で合格する。
将来は機能美とデザイン性が共存する、人々の記憶に残るような住宅を手がける設計士を目指している。