Shop【地下物件】

店舗づくりの数ある問題に対して、デザインに関わるプロの視点からアドバイスをしていくシリーズ。

物販・サービス・飲食などの店舗の開業を目指す方に向け、店舗デザインの考え方をFAQ形式で回答していきます。

 

今回のお題は…『地下物件の制約と見せ方の工夫』について

 

 

【Question】

地階のテナントを検討していますが、設計や施工をする上での注意点はどんなことがありますか?

 

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【Answer】

 

地階の物件で計画を行う場合、いくつかの注意点があります。

地階であるということは周囲が土に囲まれている状況が伺えます。

 

建築基準法では居室の用途や面積に応じて最低限必要な窓などの開口部を設けることとされていますが、開口部を設けることができない場合には無窓居室となる可能性があります。

無窓居室にあたると、内装制限、非常照明、換気設備、排煙設備など様々な点に注意が必要です。

他にも地上の物件にはない制約がある可能性がありますので事前の確認は必須となります。

 

 

また、デザインの面では店舗のファサードが地階になってしまうので道ゆく人の目に留まりにくかったりもします。

目立たせて多くのお客を呼び込みたいのであれば地上に出す看板デザインや入口に存在感を待たせることが重要です。

逆に外からは店内の様子が見えないため、看板や入口のデザインをシックなデザインにすることで隠れ家的な店舗計画もできるかもしれません。

 

法規の面では様々な注意点がありますが、それらをクリアできれば地下ならではの面白い計画ができそうですね。

 

 

この記事を書いた人

柴田勇介
柴田勇介2級建築士
関東学院大学の人間環境デザイン学科を卒業後、都内のゼネコン会社で5年間施工管理に従事。地元の長野に戻ってからは設計へとキャリアを移し、公共・社寺など幅広い経験を積む。
兼ねてから設計の道を目指していたこともあり、図面から読み解く情報量の多さと着眼点は、現場を経験してきた者ならではの武器ともいえる。