Shop【異業種物件】

店舗づくりの数ある問題に対して、デザインに関わるプロの視点からアドバイスをしていくシリーズ。

物販・サービス・飲食などの店舗の開業を目指す方に向け、店舗デザインの考え方をFAQ形式で回答していきます。

 

今回のお題は…『異業種物件の内装設備』について

 

 

【Question】

カフェの開業に向けて物件を探しています。

以前事務所だった物件で飲食店を開業する場合、異なる業種の物件での注意点があれば教えていただきたいです。

 

—————————

 

【Answer】

事務所からカフェにするためには、建築基準法や消防法など基本的には条件が厳しくなるとお考えください。

 

法規については専門的な内容になりますので、まずは建築士の方等に相談をし、法規による建築制限をクリアした計画をしていきましょう。

そして、消防、保健所、建築など必要となる各種届出や検査をしっかりと受けた上で開業をしてください。

 

どの程度の食事を提供するお店なのかによっては内装にも気をつけなければいけません。

火(ガス)を使うのか、揚げ物をするのかなど使用条件によっては内装は燃えにくい不燃材料にしなければならなかったりという縛りが出てきますのでインテリアを考えるためにも大事なポイントになるでしょう。

 

 

また、給排水設備については事務所よりもカフェの方が数が必要になることが考えられますし、元々給湯室やトイレには配管があっても事務所スペースにはないことが多いです。

その場合、給排水が必要な場所まで配管を伸ばしていかなくてはなりません。

横引きの配管距離が長くなれば排水能力の低下も懸念されますし、床を作って配管を隠す工事も必要になります。

 

このように物件によってはカフェにするための対策がたくさん必要になり、工事費用も嵩んでしまいます。

 

弊社におきましても事務所の現状とカフェの計画イメージをしっかりと比較して、カフェにしやすい物件選びをしていくためのアドバイス等ができますのでお気軽にご相談ください。

 

 

この記事を書いた人

柴田勇介
柴田勇介2級建築士
関東学院大学の人間環境デザイン学科を卒業後、都内のゼネコン会社で5年間施工管理に従事。地元の長野に戻ってからは設計へとキャリアを移し、公共・社寺など幅広い経験を積む。
兼ねてから設計の道を目指していたこともあり、図面から読み解く情報量の多さと着眼点は、現場を経験してきた者ならではの武器ともいえる。